LITONE for kintone PDF株式会社ピアリビング様「もっとこうしたい」から始まった業務改革
福岡県を拠点に防音専門ECサイトを運営する株式会社ピアリビング様。同社では、長年運用してきた独自のデータベースシステムからkintoneへの移行に伴い、帳票出力の課題を抱えていました。
今回は、社内のシステム関連を一手に担う専務取締役の上田さんにインタビュー。kintoneへの移行を決断した背景から、LITONE for kintone PDFの導入による効果を詳しく伺いました。
音の悩みに寄り添う防音グッズ専門のオンラインブランド「株式会社ピアリビング」様
Q:株式会社ピアリビングについて教えてください。
上田:当社は、防音に特化したインテリア系のグッズを企画・開発・販売している会社です。主力商品としては、防音カーペットや防音カーテン、さらには既存の壁の上から設置できる防音パネルなど、賃貸物件でも使いやすいアイテムを取り揃えています。
「音の悩みを解決したいけど、工事は難しい」というお客様にも気軽に取り入れていただけるよう、DIY感覚で使える商品づくりを心がけています。
販売チャネルは、主に自社ECサイトをはじめ、楽天市場やAmazonなどのインターネット通販が中心です。ご利用いただいているお客様の約7割は個人の方ですが、賃貸物件の管理会社様や施工業者様など、法人のお客様にもご愛用いただいています。
また、単に商品を販売するだけでなく、「どこにどう設置すれば効果的か」といったご相談も受け付けており、お客様のお悩みに寄り添った提案も大切にしています。
公式HPはこちら▶ https://www.pialiving.com/
Q:上田さんの業務内容を教えてください。
上田: 肩書きは専務取締役ですが、総務部に所属し、主に社内システムの保守や開発を担当しています。各ECサイトからの注文を一元管理する受注管理システムとkintoneの連携や、新たな機能開発など、業務内容は多岐にわたります。
当社はインターネット通販が中心の事業なので、自社ECサイトや楽天市場、Amazonなど複数チャネルの注文情報を一括で管理する受注システムがあるんですが、その構築や改善も私の仕事です。
また、カスタマーサポートと連携した情報共有の仕組みづくりなども行っていて、いわゆる“システム周りのなんでも屋”のような感じかもしれません(笑)。実務レベルの開発にも日々関わっています。
Q:上田さんの働き方で、大切にしていることはありますか?
上田:そうですね、「これがこだわりです」と言えるような立派なものはないのですが、しいて言えば、「自分で全部できると思わないこと」でしょうか。
私自身、最初はパソコンもまともに使えなかったので、本当に何も知らない状態からスタートしていて…。そんな中で、先輩方や周りの皆さんに教えてもらいながら、少しずつ覚えていくことができました。
改善の提案をするときも、一気に変えるのではなくて「こうした方がいいかもしれないですね」と、まずは小さく周りの方の意見を聞きながら進めるようにしています。いわゆる“根回し”みたいなことも含めて、気持ちよく協力していただけるように配慮するのは大切にしています。
kintone移行後に見えた“帳票出力”の課題──LITONEで実現したスムーズな業務再構築
Q.LITONE for kintone PDFを導入する前は、どのような課題があったのでしょうか?
上田:もともと、別のデータベースソフトを基幹システムとして使っていて、タイムカードの管理から、見積書・請求書の作成、生産管理まで、ほとんどすべての業務をその中でまかなっていたんです。
クラウド対応を見据えてkintoneへの移行を決めたのですが、いざ移行してみると、「帳票出力ができない」という予想外の問題に直面しました。当時の私たちの業務フローにフィットさせる上で、帳票出力まわりにいくつか工夫が必要だと感じるようになりました。
特に、複数ページにわたる帳票や、明細が多い帳票をレイアウト崩れなく出力するという点で、従来と同じ感覚で対応できる方法を探していたんです。プラグインもいくつか試しましたが、なかなか理想の形には届かなくて。
Q:LITONE for kintone PDF導入後は、どのような変化がありましたか?
上田:LITONEを取り入れてからは、帳票のレイアウトや出力条件を柔軟にカスタマイズできるようになり、複数ページにまたがる明細や出力履歴の管理もスムーズに行えるようになりました。操作画面もわかりやすく、設定の自由度が高い点がとても助かっています。
以前のデータベースソフトで構築していた帳票の見た目や動作を、kintone上でも違和感なく再現できたことで、従来の業務フローをそのまま引き継ぐことができました。LITONE for kintone PDFのおかげで、環境が変わっても社内に無理なく馴染む帳票運用を実現できたと感じています。
Q:現在は、LITONE for kintone PDFをどのように活用されていますか?
上田: LITONE for kintone PDFは、主に3つの業務で活用しています。まず1つ目が「見積書」の出力です。お客様からの防音に関するご相談に対応できる体制を全社員に整えているので、見積書の出力についても、基本的に全社員が使えるようになっています。
2つ目が「請求書」の出力で、こちらは私を含めた総務・経理のメンバーが中心になって利用しています。業務的にも限定的な用途なので、使う人もある程度絞られていますね。
そして3つ目が「製作予定表」の出力です。これは、自社工場でのオーダーメイド製品の生産管理に使っていて、現場のスタッフが紙で出力した帳票を確認・記入しながら作業を進める形です。
非効率への違和感から始まったDX。現場の“もっとこうしたい”が業務を変える
Q:上田さんご自身は、もともと業務改善への意識が高かったのでしょうか?
上田:いえ、最初から意識が高かったわけでは全然なくて(笑)。もともとはバーテンダーをしていて、10年前に入社した当初はパソコンもほとんど使えず、電源の入れ方から教わるような状態でした。
最初に任された発注業務では、Excelに手入力して紙に印刷し、FAXで送るという非効率な作業を毎日2時間近くかけてやっていたんです。これを少しでも楽にできないかと思ったのが、業務改善に取り組むようになったきっかけです。
独学でExcelを学び、関数を使ったり入力しやすい仕組みを作ったりしながら、少しずつ効率化を進めていきました。
Q:いまでは、会社内の“DX担当”といえるお立場になったのですね
上田:結果的にはそうなるのですが、当初は「DX」という言葉も浸透していなかったですし、「今の作業を少しでも楽にできないか」という思いで動いていただけなんです。
周囲に気づかれないくらいの小さな改善を、少しずつ積み重ねていきました。気づけば、手書きやFAXでやっていた発注作業も、今ではCSVを取り込むだけで自動で発注書ができる仕組みになっています。2時間かかっていた作業が、今では30分以下で終わるようになったんです。
振り返ってみると、確かにDXだなとは思いますが、あくまで日々の業務の中で感じた「もっとこうしたい」という気づきを少しずつ形にしてきた結果だと思っています。
Q:上田さんご自身として、今後の仕事で取り組んでいきたいテーマはありますか?
上田:現在、会社として海外展開にも力を入れているので、私もその分野でのシステム連携を進めていきたいと考えています。国内で培った受注・生産・出荷の仕組みを、海外の業務にもスムーズに展開できるようにすることが目標です。
まだ準備段階ですが、どこにいても同じ水準で業務が行えるよう、グローバルな視点での業務効率化にも今後挑戦していきたいと思っています。
Q:最後に、LITONEの活用を含め、これからの展望について教えてください。
上田: LITONEにはPDF出力以外にも多彩なサービスがあるので、今後はそういった機能も活用しながら、さらなる業務効率化につなげていけたらと考えています。まだ他の業務が優先で手をつけられていない部分もありますが、社内全体で「もっと使いこなしていこう」という意識は高まってきています。
今まで私ひとりで担っていた部分を、他のスタッフにも広げていくことで、LITONEと他のツールとの連携もさらに進み、会社全体としてよりスマートな業務運用ができるようになるのではと期待しています。
編集後記
「パソコンも使えなかった」という状態から、非効率な業務への素朴な疑問を原動力に、独学で知識を吸収し、会社のDXを牽引するまでに至った上田さん。そのお話は、DXとは決して特別なものではなく、「現場をもっと良くしたい」という一人ひとりの想いの先にこそあるのだと、改めて教えてくれました。
システムの移行期に発生しがちな「以前はできていたことが、できなくなる」という課題に対し、LITONE for kintone PDFが、いかに柔軟で強力な解決策となり得るか。上田様のお話から、その価値を強く実感した取材でした。
今回ご紹介したLITONE for kintoneの詳細はこちら➜https://gbalb.com/litone_report/
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