CASE STUDY 事例紹介

LITONEウェブアプリ for LINE WORKS株式会社新生様 現場を変えたリアルDXの挑戦

2025.06.06


株式会社新生様は、福岡県糟屋郡宇美町に本社を構える総合リサイクル企業です。金属スクラップの収集・再資源化をはじめ、産業廃棄物処理、自動車パーツ販売、解体工事など、幅広い事業を展開しています。

同社では、従来紙で運用していた重機・車両の点検業務に課題を抱えていました。今回は、システム管理を担当する西村貴彦さんに、LITONEウェブアプリ for LINE WORKS導入による業務変革のプロセスや、現場でのリアルな変化について詳しく伺いました。

「リアルなDXは現場の声から生まれる」株式会社新生様の挑戦

Q:株式会社新生について教えてください。

西村:当社は金属の産業廃棄物処理業を営んでおり、工場や解体現場から排出される金属スクラップを収集・再資源化しています。もうひとつの主力は解体業です。再資源化したものを「リサイクルパーツ」として販売も行っています。

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Q:西村さんの業務内容についても教えていただけますか?

西村: マネジメント課という部署の中で、システム管理を担当しています。業務システムの運用、ネットワーク整備、そして新たなシステム導入や業務改善の企画など、幅広く取り組んでいます。

Q:お仕事をする上で、大切にされていることはありますか?

西村: 昔から「段取りが7割、作業が3割」という考え方を大切にしています。システムというのは、つくり始める前の準備や設計で、成功のほとんどが決まると思っているんです。

今回の点検アプリでも、「現場で本当に使えるか?」「使い勝手はどうか?」という視点を持って、現場のスタッフと意見交換を重ねながら段取りを組んでいきました。

現場の確認をせずに作ってしまうと、「これ、誰のための仕組み?」というようなものができてしまい、結果的に「だから使えないんだよ」と言われて終わってしまう。そんなことは避けたいですよね。

中小企業はシステム導入にかけられるコストも限られています。だからこそ、現場の導線や日々の習慣まで含めて、“自然に馴染む”仕組みになるよう、あらかじめ丁寧に段取りを設計することが、自分の中では一番大事な仕事だと思っています。

Q:LITONEウェブアプリ for LINE WORKS導入前には、どのような業務上の課題がありましたか?

西村:車両や重機の日常点検を紙で記入して提出する運用だったのですが、それが形だけになっている部分がありました。車両の故障があっても「書類をファイリングして終わり」という状況で、実際には活用されていなかったんです。

点検の本来の目的である「故障の予兆を早期に捉えて、安全に長く使う」という部分に結びついていなかったんですね。

加えて、紙の記入は「業務のあとにまとめて」行われることも多く、点検と報告の間にタイムラグが生まれ、“情報の鮮度”が失われていく問題もありました。

決め手は「従業員の手に馴染むUI」LINE WORKS連携で点検方法を改善

 

Q:LITONEウェブアプリ for LINE WORKS導入の決め手になったのは?

西村:導入の決め手は、現場の情報をリアルタイムで共有し、すぐに動ける体制をつくることでした。当社では、重機が約20台、フォークリフトが約30台、トラックなどの車両は50台以上を日々管理しています。それぞれに対して頻繁に点検を行う必要があり、「どの車両に、いつ、どんな異常があったのか」を迅速に把握するには、紙の報告書では限界がありました。

とはいえ、新たなシステムを導入するにあたっては、「従業員が負担なく使用できるか」という壁があります。

そこで考えたのがスマホを使用することです。現場ではITが得意でない人も多いですが、スマートフォンは全員持っていますし、LINEは誰でも使い慣れているツールです。

その点、LINE WORKSであれば通知もスムーズですし、誰がいつ点検したかをすぐに確認できる。慣れた環境で、無理なく現場に浸透できるUIという点が、LITONEウェブアプリ for LINE WORKSを選択した大きな理由でした。

Q:LITONEウェブアプリ for LINE WORKS導入後どのような変化がありましたか?

西村:LINE WORKSとの連携により、点検結果の確認から情報共有までがスムーズに繋がる体制が整いました。さらに、kintoneと連携することで、現場から送られた点検情報をすぐに一覧で確認・管理できるようになったのも大きな変化です。

導入にあたって特にこだわったのは、「現場の負担をいかに減らせるか」という点です。

すべての車両にQRコードを貼り付け、スマホで読み取れば点検フォームがすぐに立ち上がる仕組みにしています。フォームの基本項目はあらかじめ「異常なし」で設定されており、何か問題がある場合だけチェックを変更するだけ。最小限の手間で記録が完了する設計です。

以前は、紙に記入して提出し、回収・ファイリングまでにかなりの手間と時間がかかっていましたが、現在はQRコードを読み取って数十秒で送信完了。

そもそも従業員にとって点検記録は“本業”ではなく、荷下ろしや解体作業こそがメインの業務です。だからこそ、点検は短時間で、確実に終わらせられることが大切なんです。

Q:他にも「改善された」と感じたポイントはありますか?

西村:コスト面での改善効果も期待できそうです。以前は、点検が形だけの運用になっていたことで、異常の見逃しが故障や事故につながる危険性がありました。重機1台が壊れれば、修繕費だけで数十万円、場合によっては数百万円規模のコストになることもあります。

さらには、重機が使えないと一日の作業に影響がでます。人や時間がムダになるだけでなく、納期の遅れにもつながりかねません。

こうした“潜在的なリスク”に対して、これまで十分に予防や対処ができていなかったのが実情です。
しかし、LITONEウェブアプリ for LINE WORKSの導入によって、点検結果をリアルタイムで共有できるようになり、壊れる前に気づき、必要なときに素早く動ける仕組みが整ったことで、
明らかに重機の故障頻度が下がり、より安全に・長く機械を使える環境へと変化しました。

今はまだ導入から間もないフェーズですが、今後は蓄積された点検データを活かして、「この重機は使用頻度が低いから手放す」など、稼働率ベースの経営判断にも活用していけると考えています。

 

「導入して終わり」じゃ意味がない。現場に根づくDXで業務を変える

Q:LITONEウェブアプリ for LINE WORKS導入を通じて得た気づきを教えてください。

西村: 今回のカスタマイズでもそうでしたが、導入前にしっかり段取りを組んで現場に落とし込むことが肝心です。

特に、紙から電子に移行する際、「電子化=DX」ではないということを強く感じました。

大事なのは、その仕組みを現場が本当に活用できるかどうか。形式だけのデジタル化では、逆に手間や混乱が増えてしまう。

だからこそ、今回は現場の声を聞きながら調整を重ねました。

Q:DXとは何だと思いますか?

西村:正直、システムって「入れただけで終わる」ケースが多いと思うんです。動作のうち6〜7割はうまくいっても、残りの部分がネックになって結局使われなくなる。

現場が利用して入力しなければ意味がないし、「みんなが自然に使える」ことこそがDXの本質だと思います。そういう意味で、導入時のUIにはとにかくこだわりました。

誰がやっても簡単に操作できる、迷わない、負担が少ない。

それくらい突き詰めてはじめて、“継続的に使える仕組み”になると実感しています。

Q:今後、LITONEウェブアプリ for LINE WORKSを通じてやってみたいことについて教えてください

西村:まだ始めたばかりなので、今はとにかくデータを蓄積している段階なんですが、いずれはその点検データをAIにかけて傾向を自動で分析するような仕組みに発展させたいと考えています。

あとは、今後の課題として、工場内の電波やWi-Fi環境の整備もまだ完全ではありません。

LINE WORKSやWebアプリはネット環境が前提なので、工場の端など電波が届きにくい場所では使いづらい場面もある。

そうした物理的な課題にもきちんと向き合いながら、一歩ずつ、現場に根づいたDXを進めていけたらと思っています。

編集後記

西村さんのお話から強く感じたのは、「DXとは現場に根づく改善である」というメッセージでした。

紙を電子化するだけでは業務は変わらない。本当に現場が使いやすい仕組みを考え、地道に運用を定着させ、 本来の目的である“故障を未然に防ぐ”仕組みとして機能させる。

細部にまで心を配り、現場に無理のない形を丁寧に整えていく姿勢に、西村さんの実直さを感じました。

LITONEウェブアプリ for LINE WORKSは、こうした現場発信の改善案を形にできる柔軟なツールです。
株式会社新生様の取り組みは、「現場」を抱える企業にとっての“リアルなDX”のヒントになるはずです。

今回ご紹介したLITONEウェブアプリ for LINE WORKSの詳細はこちら➜https://gbalb.com/litone_webapp/

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