コラムLINE WORKSの日報を、集計までつなげる ― 建設・製造3社の事例
LINE WORKSで日報を出してもらうようにした。現場からはトークや掲示板に毎日報告が上がってくる。
それでも、月末になると事務所で日報を1件ずつ読み、Excelに打ち直し、現場ごと・人ごとに振り分けている――。
この記事では、LINE WORKSで日報を回す4つの方法を比べ、「書く」だけでなく「集計」まで楽にする方法を、建設・製造の3社の事例で紹介します。
- LINE WORKSで日報を回す4つの方法と、それぞれの向き不向き
- 日報を「集めて集計する側」の手間をなくす方法
- 建設・製造の3社が、どれだけ楽になったか
結論:集計が要るかどうかで選ぶ
少人数で、読んで状況が分かれば十分な会社に
数値だけ集めたい会社に
現場の書き方を変えられない会社に
現場・人・車両・図面ごとに集計して、原価まで見たい会社に
日報を「読む」だけなら、LINE WORKSの標準機能で十分です。
転記や振り分けに毎月時間を取られているなら、④を検討する価値があります。
LINE WORKSで日報を回す4つの方法
1トーク・ノート・掲示板にテンプレートで投稿する
LINE WORKSには、日報や議事録の様式を決めておける「テンプレート」があります。トーク・ノート・ホーム(掲示板)で使えるので、項目をそろえた日報をすぐに始められます。
- トーク:いちばん手軽。ただし投稿が流れていくので、あとから探すのは大変です
- ノート:日報をカテゴリーにまとめておけるので、振り返りに向いています
- ホーム(掲示板):全社や部署ごとに1か所にまとめられ、必読の設定もできます
どれも「書いて、読む」には十分です。一方で、書かれた内容を数字として集計する仕組みはありません。月末に集計するときは、結局だれかが読んで打ち直すことになります。
2アンケート機能で毎日回答してもらう
アンケート機能で日報の項目を作り、毎日回答してもらう方法です。回答はCSVで出せるので、作業時間や件数などの数値は集計しやすくなります。未回答の人にまとめて再通知することもできます。
ただし、回答を出すたびにCSVをExcelでまとめ直す作業は残ります。日報の項目を変えたいときや、過去の分と突き合わせたいときも手作業になりがちです。
3紙に書いたまま撮影して、AIで読み取る
現場では今までどおり紙の日報を書き、スマホで撮影して送ると、AIが文字を読み取ってデータにするサービスもあります。LINE WORKSと連携して使えるものもあります。
いちばんの利点は、現場の書き方を一切変えなくてよいことです。そのかわり、読み取った結果を事務所で確認する作業と、読み取る枚数に応じた月額費用がかかります。
4LINE WORKSの画面で入力して、kintoneに集める
「LITONE ウェブアプリ for LINE WORKS」を使う方法です。現場の人はLINE WORKSのメニューから日報の画面を開き、項目を選んで送るだけ。入力した内容はそのままkintone(サイボウズの業務アプリ)に入り、現場・人・車両・図面ごとに集まります。
入力画面は、選択肢・数値・写真・QRコード読み取り・位置情報・手書きサインなどの部品を、自社の日報に合わせて配置して作ります。選んで入力する形にすると書き方がそろうので、事務所での読み取りや打ち直しが要らなくなります。


利用の条件
kintoneのスタンダードコース以上が必要です(kintoneは最低10ユーザーから)。LINE WORKSはフリープランでも使えます。
kintoneをまだ使っていない会社でも、LITONEとあわせて導入できます。下で紹介する北野様も、kintoneとLITONEを同じ時期に導入しています。
「書く」より「集める」が大変
日報のデジタル化というと、現場の入力のしやすさに目が向きがちです。ところが、実際に時間を取られているのは日報を集める側であることが少なくありません。
- 手書きの字を読み取り、Excelに打ち直す
- 現場ごと・人ごと・車両ごとに振り分けて、原価に回す
- 集計が月末にずれ込み、原価の数字が出るのが遅れる

①や②の方法では、現場の「書く」は楽になっても、この「集める」作業は残ります。次の3社は、ここに手を入れたことで効果が出ています。
日報を集計までつなげた3社の事例
運転日報の振り分け作業が不要に(建設・株式会社 北野様)

長野県北部で土木工事や除雪を手がける北野様では、運転日報を紙に手書きしていました。「誰が・どの車両を・どの現場で・何時間使ったか」を書いた日報を担当者がExcelに転記し、現場・人・車両ごとに原価へ振り分けていました。この振り分けが、月にだいたい2日分ほどかかっていたといいます。
LINE WORKSから運転日報を直接入力する形に変えたことで、転記と振り分けの手間がなくなり、原価計算の数字が早く出るようになりました。
LINE WORKSさえ開けば、日常の報告や業務が全部できる、という形にできるのが本当に良いと思っています。
株式会社 北野 代表取締役 太田様
工数日報をスマホから3タップで(製造・株式会社 青木工業所様)

富山県でFA機械や搬送装置をつくる青木工業所様(社員30名ほど)では、日報をkintoneに入力していました。ところが工場が広く、入力できる端末も限られていたため、夕方には端末の前に順番待ちの列ができ、移動と待ち時間を含めて1人あたり毎日10分ほどかかっていました。
LINE WORKS上に日報アプリをつくり、図面のQRコードを読み取って作業時間を入力する形に変えました。作業後に3タップで報告が終わり、「10分程度かかっていたのが30秒くらいに短縮されたイメージ」だといいます。図面ごとの工数がそろうようになったことで、見積もりと実績を照らし合わせ、次の見積もりの精度を上げることにも使っています。入力漏れには、自動のリマインドで対応しています。
所長の毎日2時間の入力が、週1回の集計に(造船・株式会社太田工業様)

長崎県の造船所構内で新造船の最終組立を担う太田工業様では、各作業グループが手書きした日報を所長が毎日Excelに入力し、1日あたり約2時間かかっていました。
現場の人がスマホやタブレットからkintoneに直接日報を入力し、Excel形式の帳票で出力する形に変えたことで、所長の入力作業がなくなりました。集計は「週に1回、2時間くらい」になり、過去の実績を前回の建造と比べられるようにもなっています。
※太田工業様はLINE WORKSではなく、kintoneの画面から入力しています(帳票の出力に LITONE for kintone EXCEL を利用)。現場が直接入力して、集める側の転記をなくすという考え方は同じです。
どの方法を選ぶか
よくある質問
Qkintoneを使っていなくても大丈夫ですか?
ALITONEとあわせて導入できます。kintoneはスタンダードコース以上が必要で、最低10ユーザーからの契約です。北野様も、kintoneとLITONEを同じ時期に導入しています。
QLINE WORKSのフリープランでも使えますか?
A使えます。
Q年配の社員が多い現場でも使えますか?
A現場の人は、いつも使っているLINE WORKSのメニューから日報の画面を開くだけです。新しいアプリを入れる必要はありません。青木工業所様では、入口をLINE WORKSにそろえたことで、年配の社員にも浸透したといいます。
LINE WORKSで入力した日報を、kintoneに集める。
現場はいつものLINE WORKSのまま、事務所の転記と振り分けをなくすしくみです。
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